
前編では、介護保険外サービスの基本的なしくみや具体的なサービス内容などを解説しました。
介護保険サービスだけでは、すべての介護ニーズをカバーできません。夜間の見守りや趣味の外出へのつきそいなど、日常の困りごとに応えてくれるのが、介護保険外サービスです。
後編では、介護保険外サービスの種類や費用相場などを解説します。
介護保険外サービスの種類と費用相場

介護保険外サービスは、さまざまなものが存在します。
・ 日常生活を支える基本的な家事支援
・ 専門的な技術を要する身体介護
・ 外出のサポート
・ 理学療法士や看護師による専門ケア
介護保険外サービスは、全額自己負担です。そのため、事前に費用相場を把握しておきましょう。ここでは、代表的な4つのサービスについて、具体的な内容と費用相場を詳しく紹介します。
生活支援サービス
調理や掃除、洗濯、買い物代行など、日常生活を支える基本的なサービスです。
生活支援サービスの費用相場は1時間あたり2,500円~4,000円程度で、事業者や地域によって差があります。
また、生活支援サービスは、見守りサービスとも連携をしています。見守りサービスとは、一人暮らしの高齢者などが地域で安心して暮らすためのしくみです。定期訪問型とITやセンサーを使った遠隔見守り型があり、月額5,000円〜30,000円程度が一般的です。
身体介護サービス
身体介護サービスは、介護保険の身体介護と同様の専門的なケアを保険外で受けられるサービスです。入浴介助や排泄介助、移乗介助、食事介助などが含まれます。
費用相場は1時間あたり3,500円〜6,000円程度と、生活支援より高額になります。これは専門的な技術を持つ介護福祉士や看護師が対応するためです。
介護保険の限度額を超えた場合や、介護保険では対応できない時間帯のケアに利用できます。
外出・通院付き添いサービス
外出・通院付き添いサービスでは、通院同行や買い物の付き添い、趣味活動への外出サポートなどを提供します。
移動支援だけでなく、診察室での医師の説明を一緒に聞いたり、服薬管理のサポートをしたりもしています。
費用は1時間あたり2,500円〜5,000円程度です。サービス費用にくわえて交通費や待機時間の料金が加算されます。
外出・通院付き添いサービスは、認知症の人や視覚障害のある人が外出する際におすすめです。
自費リハビリ・専門ケアサービス
理学療法士や作業療法士による自費リハビリ、看護師による医療的ケア、認知症専門のケアなどの専門性の高いサービスを提供します。
費用は専門性によって幅があり、1時間あたり5,000円〜10,000円以上になるケースもあります。
自費リハビリ・専門ケアサービスは、介護保険のリハビリでは不十分な場合や、退院後の集中的なリハビリが必要な時期に最適です。
介護保険外サービスを選ぶ際のチェックポイント

介護保険外サービスは全額自己負担であるからこそ、事業者選びは慎重に行わなければいけません。
ここでは、介護保険外サービスを選ぶ際に必ずチェックすべき3つのポイントについて解説します。
サービスの質・スタッフの専門性
まず、スタッフの資格や経験をチェックしましょう。介護福祉士やホームヘルパー、看護師などの有資格者が対応するのか、研修体制はどうなっているのかを確認してください。
また、実際に対応するスタッフと事前に面談できるか、担当者が頻繁に変わらないかも重要です。信頼関係が築けるスタッフに継続して担当してもらえる体制があるかどうかは、サービスの質に直結します。
料金体系・追加料金の有無
時間単位の料金だけでなく、交通費、キャンセル料、早朝・夜間の割増料金、最低利用時間の設定などを事前に確認しておきましょう。料金体系は事業者によって大きく異なります。
また、事業者から見積もりを取る際は、想定される利用シーンを具体的に伝え、トータルでいくらかかるのかを明確にしてもらいましょう。複数の事業者を比較検討すれば、適正価格かどうかの判断もしやすくなります。
トラブルを避けるための契約確認ポイント
契約書の内容は必ず細部まで確認しましょう。特に、サービス提供の範囲、緊急時の対応方法、個人情報の取り扱い、損害賠償保険の加入状況などをこまかく確認してください。
また、サービスに不満があった場合の相談先や、契約解除の条件についても確認しておくと安心です。
なお、トラブル防止するために、口頭での約束だけでなく、書面で残しておきましょう。
介護保険外サービスを上手に活用するコツ

介護保険外サービスを最大限に活用するには、介護保険サービスとの併用がおすすめです。その際は、まずケアマネジャーに相談しましょう。サービスの重複を避け、効率的なケアプランを立てられます。
たとえば、平日日中は介護保険のデイサービスを利用し、夜間や休日に介護保険外サービスで見守りを依頼するといった組み合わせが考えられます。
また、介護保険外サービスを効果的に活用するには、利用者や家族、事業者の良好なコミュニケーションが不可欠です。利用者本人の希望や生活習慣、注意すべき点などを事業者にていねいに伝えましょう。
また、サービス提供後も、必要に応じて内容を調整しましょう。小さな不満や疑問も早めに相談し、大きなトラブルを防いでください。
まとめ

介護保険外サービスは、介護保険制度の枠を超えて、利用者と家族の多様なニーズに柔軟に対応できる重要な選択肢です。
介護保険外サービスの費用は全額自己負担となり、サービス内容によって幅があります。事業者を選ぶ際は、スタッフの専門性や料金体系の透明性、契約内容の明確さを必ず確認しましょう。
介護保険外サービスはぜいたくなものではなく、介護者が心身の健康を保ちながら、持続可能な介護を続けるための必要な投資です。介護うつや介護離職を防ぎ、介護者自身の人生の質を守るためにも、一人で抱え込まず、利用できるサービスは積極的に活用しましょう。



