
高齢化が進む日本において、介護の仕事はますます重要性を増しています。しかし、「介護の仕事内容ってどんなことをするの?」「未経験でもできるのかな?」と感じている方は多いでしょう。
この記事では、介護の仕事内容を具体的に解説し、実際の現場の流れややりがいを紹介します。介護職のリアルを知り、自分に合った働き方をイメージしましょう。
これから介護の仕事に興味を持つ人に向けて、現場で求められるスキルや1日の流れも詳しく紹介します。
介護の仕事内容をわかりやすく解説

介護の仕事は、利用者の「生活の質(QOL)」を支える多面的な業務で成り立っています。主な業務は以下の3点です。
1.身体介助
2.生活援助
3.記録・報告
それぞれの仕事内容と役割を詳しく見ていきます。
身体介助の主な内容とポイント
身体介助とは、利用者が日常生活を送るために必要な動作を支援する業務です。具体的には、食事、入浴、排泄、着替え、移乗(ベッドから車椅子への移動)などがあります。これらは利用者の尊厳を守りながら安全に行う必要があるため、技術と心配りが求められます。
たとえば、入浴介助では転倒防止のための声かけや体調の観察が欠かせません。小さな変化に気づく観察力が重要です。
また、近年では、職員の体力的な負担を軽減するために、最近ではリフトやスライディングボードなど福祉用具の導入が進んでいます。
生活援助で求められる心配り
生活援助とは、利用者が快適に日常生活を送れるよう支える業務です。掃除や洗濯のほかにも、食事の準備、買い物代行などをサポートします。身体介助に比べて身体的な負担は少ないものの、ていねいさと気配りが重要です。
たとえば、掃除ひとつ取っても「物の置き場所を変えない」「利用者の習慣を尊重する」などの心配りをしなければいけません。生活援助の中で会話を楽しみにしている利用者も多く、コミュニケーション能力も必要です。
なお、生活援助は、特に訪問介護の現場で多く行われます。生活援助は、単なる家事代行ではなく「利用者の自立を支援する生活援助」だと意識することが、信頼される介護職員への第一歩です。
介護記録・報告業務の重要性
介護現場では、日々のケア内容を正確に記録・報告しなければいけません。
たとえば、利用者の体調変化や食事量、排泄の状態などをチーム全体で共有し、事故やトラブルを未然に防ぎましょう。
なお、記録には、介護記録ソフトを使用する施設も増えています。ICT化の進展により、作業効率が上がり、スタッフ間の情報共有がスムーズになりました。また、報告業務を通じて新人職員の観察力や分析力が養われ、専門職としての成長にもつながります。
記録がていねいで正確な職員ほど、信頼される傾向があります。小さな変化を見逃さず、しっかり記録をしましょう。
介護現場のリアルな1日スケジュール

介護の仕事は24時間体制で行われるため、日勤・夜勤によってスケジュールが異なります。ここでは、介護施設の典型的な1日の流れを紹介します。日勤・夜勤それぞれのケースを見ていきましょう。
1.日勤スタッフの1日:朝の送迎からレクリエーション、記録業務まで
2.夜勤スタッフの1日:巡回・就寝介助・緊急対応など
3.現場で感じるやりがいと課題
介護の現場で働くリアルなイメージをしてください。
日勤スタッフの一日
日勤は、利用者ともっとも多く関わる時間帯です。
午前中は、朝の送迎やきがえ補助を行います。その後は入浴介助や体操、午後はレクリエーションやリハビリなどを実施します。1日の終わりに行われる介護記録の入力や引き継ぎも大切な仕事です。
特に、デイサービスでは、利用者が「今日も楽しかった」と感じられるように笑顔で接しましょう。そのため、昼食の配膳や服薬介助など、こまかい気配りが求められます。
日勤スタッフには体力は必要ですが、利用者と直接関わる時間が長く、やりがいも大きいでしょう。
夜勤スタッフの一日
夜勤は、少人数体制での勤務となり、夜間の見守りや排泄介助、就寝・起床介助などを行います。夜間は体調変化に気づきにくい時間帯でもあるため、観察力と冷静な判断力が必要です。
夜勤明けは疲労を感じる人も多くいます。しかし、利用者が安心して夜を過ごせるよう支えることは大きな責任であり、同時に達成感も得られるでしょう。
勤務後は代休を取得できるなど、勤務体制のバランスをとる工夫も進んでいます。
現場で感じるやりがいと課題
介護現場の1番のやりがいは、人の役に立っている実感がある点です。利用者の「ありがとう」という言葉が何よりの励みになります。一方で、体力的・精神的な負担は大きな課題です。
ただし、近年の介護現場では、職場環境の改善が進んでいます。チームケア体制やICT導入、研修制度の拡充などで、働きやすさは向上しています。自分の得意分野を活かせる職場を選ぶと、より長くやりがいを感じながら働けるでしょう。
まとめ

この記事では、介護の仕事内容や1日のスケジュールを紹介しました。
介護の仕事は、利用者の人生に深く関わる責任ある仕事です。業務は多岐にわたりますが、すべてが「人の生活を支える」ために欠かせない仕事です。大変なこともありますが、感謝の言葉や笑顔が何よりの報酬になります。
後編では、介護職のやりがいやキャリアアップ例、働きやすい職場を選ぶポイントなどを解説します。



