「グループホームの実際どんな仕事をするの？」
「特養や老健と何が違うのだろう」
「自分に向いているか知りたい」
そんな疑問をお持ちではありませんか。
グループホームは、認知症の方が少人数で家庭的な環境の中、穏やかに暮らせる施設です。
介護士の役割は、単に「生活を支える」だけではありません。入居者ができることは自発的に行動するよう促し、認知症の進行を予防する 、専門的で奥深いケアが求められます。
この記事では
・グループホーム介護士の仕事内容
・他施設（特養・老健）との違い
・グループホームに向いている人の特徴
をわかりやすく解説します。
認知症ケアのスキルを磨きたい方、家庭的な雰囲気で働きたい方に特におすすめの内容です。
グループホームとは 小規模で家庭らしさを大切にする介護施設
認知症の方が安心して暮らせる小規模な介護施設がグループホームです。ここでは、入居者の特徴や家庭的な介護の具体例をお伝えします。
グループホームの特徴と入居者の対象
グループホームは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る施設です。
定員は1ユニット9名までと少人数で、家庭のような雰囲気を大切にしています。対象となる方は、認知症の診断を受けて、自宅では不安があるものの、医療的なサポートまでは必要ない方が中心です。
入居者はそれぞれの部屋を持ち、リビングやキッチンを共有しながら穏やかに暮らします。職員は入居者と同じ空間で過ごし、まるで家族のような関係を築いていきます。
家庭的な介護が意味することとは
家庭的な介護とは、食事の準備や掃除、洗濯などを入居者と一緒に行う支援を意味します。
できる範囲で自分のことをするのを大切にするのが特徴です。
たとえば、入居者が野菜の皮むきを手伝ったり、洗濯物を一緒にたたんだりします。こうした日常的な役割を持つことで、生活に張り合いが生まれ、認知症の進行を穏やかにする効果も期待できるのです。
グループホームの職員配置と業務内容の特徴
スタッフの配置は、日中2～3名ほどで、夜間は1人体制が一般的です。その分、職員一人ひとりの観察力や判断力が求められる職場といえるでしょう。
入居者の小さな体調変化に気づいて早期に対応したり、夜間に不安で起きてきた方に寄り添って落ち着くまで話を聞いたりするなど、きめ細やかなケアが日々求められます。
グループホーム介護士の1日の仕事内容
グループホームの介護士は、入居者の「日常生活」を支える役割を担います。
1日の生活リズムに合わせた、仕事内容は次のとおりです。
朝：食事準備・掃除・洗濯
朝は食事の支度や洗濯、掃除を行い、一日のリズムを整えるところから始まります。家庭的な雰囲気の中で、料理を一緒に作ったり、洗濯物を畳んだりと、入居者が自分の力でできることを大切にします。
昼：会話・レクリエーション・外出支援
日中は、会話や買い物の付き添い、季節の行事やレクリエーションなどを通して心の健康を支えます。信頼関係を築きながら、小さな変化にも気づける観察力が求められます。
夜：見守り・トイレ介助・記録
夜勤では、静かな時間の中で見守りやトイレ介助、夜間の記録を行います。体調の変化がないかを確認し、安全な環境を保つことが重要です。
グループホームと他の施設との目的や体制の違い
グループホームは同じ介護施設でも、特養（特別養護老人ホーム）や老健（介護老人保健施設）とは目的や働き方が異なります。
以下の表に、3つの施設の目的や医療体制などの違いをまとめました。
| 施設名 | 一般的な
入居者数 |
介護度 | ケアの目的 | 医療体制 |
| 特養 | 約100名 | 要介護3〜5 | 終身介護 | 常勤看護師配置・日中の健康管理中心。医師は嘱託で定期往診。 |
| 老健 | 約100名 | 要介護1〜5 | 在宅復帰 | 常勤看護師配置・日中の健康管理中心。医療的ケア対応力が比較的高い。 |
| グループ
ホーム |
約9名×ユニット |
要支援2
〜要介護5 |
自立支援・
認知症ケア |
認知症高齢者向け。介護職中心、看護師・医師は原則外部連携。日常の医療対応は限定的。 |
特養や老健では、入居者数が多く分業が進んでおり、効率的なケアが求められる環境です。
一方グループホームは、職員全員が家事やケアを分担しながら、入居者一人ひとりの生活を共に作るスタイルで、スピードよりも丁寧さが重視されます。
マニュアル的な業務よりも「どうすればこの方が安心して過ごせるか？」という個別支援の視点が求められます。臨機応変な対応力やコミュニケーション力が重要です。
もちろん、人手が少ない分、責任感の重さを感じることもあります。その分、一人の入居者と深く関われる喜びは何にも代えがたいやりがいです。
特養や老健の仕事については、こちらの記事もご参照ください。
特養で働きたい介護士必見！リアルな仕事内容・向き不向きを徹底解説
老健で働く介護士の仕事内容とは？在宅復帰を支える役割と魅力を紹介
グループホームで働くメリット・デメリット
グループホームで働く前に知っておきたいポイントを、メリット・デメリットの視点からお伝えします。
◆グループホームで働くメリット
メリット面では3つの魅力があります。
・少人数だからこそ利用者一人ひとりと深く関われ、小さな変化にも気づける
・比較的自立した方が多いため体への負担が軽く、未経験者も始めやすい
・専門的な認知症ケアの知識が身につき、他施設でも重宝される人材になれる
◆グループホームで働くデメリット
デメリットとしては、以下の2つがあげられるでしょう。
・認知症特有の症状への対応は、精神的負担になることがある
・多くの施設で一人夜勤体制のため、慣れるまで不安を感じる人もいる
◆グループホームで働くのに向いている人
グループホームは、次のような人がやりがいを感じながら成長できる職場です。
- 料理や掃除など家事が得意な人
- 相手の話をじっくり聞ける人
- 入居者の笑顔を引き出すのが好きな人
- 認知症ケアを学びたい人
入居者の生活に寄り添いながら、介護の原点を感じたい方におすすめします。
まとめ ： グループホームの仕事は介護の原点に立ち返れるのが魅力
グループホームの仕事は、介護の本質である人と人との関わりを大切にする職場です。
特養や老健のように忙しさの中で流れ作業になることは少なく、入居者一人ひとりとじっくり向き合えるでしょう。
介護職として、もう一度人の生活を支える喜びを実感できる環境がここにあります。
グループホームは、その人らしさを尊重しつつ家庭的な雰囲気の中で働きたい、と感じる方にぴったりな職場です。
