
「訪問介護員で働くためには、どのような資格が必要なのか知りたい」「また、どんなスキルが求められるのか、詳しく知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
訪問介護は、利用者さんのご自宅に伺い、その方の生活に深く寄り添い、自立をサポートする、社会にとって欠かせない仕事です。そして、その専門的な仕事を行うためには、資格を通じて得られる知識や技術が不可欠です。
本記事では、訪問介護員として働くために必要な資格から、キャリアアップに役立つ資格、そして資格以外に求められるスキルまでを網羅的に解説します。訪問介護員の仕事に興味がある方や、これから資格取得を目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
訪問介護員に必要な資格とは?

訪問介護員に必要な資格は、以下の3つです。
・介護職員初任者研修
・実務者研修
・介護福祉士
順番に解説します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、訪問介護員で働くために必要な資格です。 介護の基礎知識や基本技術を体系的に学ぶため、介護業務の入口として非常に重要です。
資格取得には、厚生労働省が定めたカリキュラムに基づき、130時間の講義と演習を受ける必要があります。「介護の基本」「認知症の理解」「身体介護の技術」などを学び、修了試験を通過すると取得できる流れです。
旧ホームヘルパー2級に相当し、未経験者でもこの研修を修了すれば身体介護の仕事ができます。訪問介護の仕事を始めたい方にとって、最初に取得すべき資格です。
実務者研修
実務者研修は、訪問介護員がスキルアップし、サービス提供責任者として活躍するために必要な資格です。 実務者研修は初任者研修よりも深い知識と高度な介護技術を身につけるための研修となり、医療的ケア(たん吸引や経管栄養など)も学べます。
具体的には、実務者研修を修了すると訪問介護事業所でサービス提供責任者になるための要件を満たし、介護福祉士国家試験の受験資格も得られます。
また、実務者研修を修了すると、給与面で優遇されることが多く、キャリアアップにもつながるでしょう。訪問介護員で専門性を高めたい方や、管理職を目指す方にとっては、実務者研修の取得が欠かせません。
介護福祉士
介護福祉士は、訪問介護員の分野における唯一の国家資格で、専門知識や技術が高く評価されています。 現場で指導的な立場を任されることも多く、給与や雇用形態も優遇されるケースが多いです。
具体的な資格取得のルートは、養成施設卒業や実務経験3年以上を経て国家試験に合格する必要があります。訪問介護員としてキャリアアップや高い専門性を目指すなら、介護福祉士の取得が求められます。
よくある質問

訪問介護の仕事を始めたい方や、これから資格取得を目指す方が気になる疑問をまとめました。多くの方が働く前に知りたい主な質問は、次の3つです。
・無資格でも訪問介護員として働ける?
・仕事しながらでも資格は取れる?
・訪問介護員に資格以外で必要なスキルは?
それぞれ紹介します。
無資格でも訪問介護員として働ける?
結論から言うと、訪問介護員として働くには基本的に「介護職員初任者研修」以上の資格が必要です。訪問介護は介護保険法に基づく公的サービスであり、利用者の安全・安心を守るために一定の資格取得が義務付けられています。
無資格の場合は、訪問介護の仕事をする際に、資格を持つスタッフに同行し、補助的な業務のみが認められています。単独での訪問介護はできません。
具体的には、初任者研修を修了すれば自立した訪問介護員として働け、さらに実務者研修や介護福祉士の資格があれば専門的なサービスの提供や管理職への道も開けます。
無資格のまま働く場合は施設介護の補助的な役割に限られ、将来のキャリア形成にも制限が生じることが多いため注意が必要です。
仕事しながらでも資格は取れる?
仕事を続けながらでも、訪問介護員に必要な資格は取得できるでしょう。多くの介護職員初任者研修の講座では、通信や夜間・週末クラスなど、多様な受講方法が用意されています。
そのため、仕事をしながらでも生活スタイルに合わせて学習できる環境が整っています。具体的に介護職員初任者研修では、130時間の講座を通信と通学で組み合わせられ、仕事の合間や休日を利用して無理なく修了を目指せるでしょう。
また、実務者研修も通学と通信の併用で受講可能なため、仕事を辞めずに資格アップを図る人が増えているのも事実です。さらに、一部の職場では資格取得支援制度を設けており、研修費用の補助や勤務時間の調整も支援しているケースがあります。
仕事をしながらでも適切な講座を選び、計画的に学習を進めることで、訪問介護に必要な資格を効率的に取得できます。
訪問介護員に資格以外で必要なスキルは?
訪問介護員にとっては、資格以外のスキルも非常に重要です。 なぜなら、訪問介護は利用者の自宅で一対一で介護する仕事であり、資格だけでなく臨機応変な対応力やコミュニケーション能力が求められるためです。
具体的には、利用者や家族との信頼関係を築くコミュニケーションスキル、利用者の変化に気づく観察力、緊急時に適切に判断する力が求められます。また、身体介助の技術に加え、掃除や買い物などの利用者の生活環境に応じた柔軟な対応力も必要です。
資格だけでなく、コミュニケーションスキルや判断力、身体介助技術を高めることも、訪問介護員として質の高いサービスを提供するために重要です。
まとめ

今回は、訪問介護員に必要な資格やスキルについて解説しました。介護職員初任者研修をはじめ、実務者研修や介護福祉士などの資格を取得することで、仕事の幅やキャリアアップの可能性が大きく広がります。
また、資格だけでなく、利用者とじっくりと築くコミュニケーション力や柔軟な対応力も大切です。 訪問介護員を目指す方は、自分のペースで学びながら、一歩ずつスキルを身につけていきましょう。



