
介護のお仕事は、体も心もフルに使うお仕事です。
「ちょっとだるいな」「最近眠れない」「頭が重いかも」――
そんな“なんとなくの不調”を感じても、忙しさの中でつい後回しにしてしまうことはありませんか?
でも、その小さな違和感は、体が「少し休んでね」と伝えてくれている大切なサインです。
早めに気づいてケアすることで、無理なく元気に働き続けることができます。
今回は、介護職員の皆さんが気づきにくい“体のSOS”と、今日からできる簡単なセルフケアの方法を紹介します。
小さなサインを見逃さないで

介護の現場では、体を動かすことが日常です。
訪問介護では移動の合間に掃除や買い物、入浴や移乗の介助など、休む間もなく体を使います。
施設勤務でも立ちっぱなしでの介助や夜勤など、常に気を張って動き続けています。
そんな日々の中で、つい自分の体の変化を見落としがちです。
でも実は、その「ちょっと疲れたかも」「なんか調子が出ないな」という感覚こそ、体が発している大事なサインなのです。
こんな不調、ありませんか?
・朝起きても疲れが抜けない
・肩や腰の違和感が続く
・食欲がない、味が薄く感じる
・イライラしやすい、気分が落ち込みがち
・夜中に何度も目が覚める
「いつものこと」と思ってしまいがちですが、これを放っておくと慢性的な疲労や腰痛、さらにはメンタルの不調につながることもあります。
まずは、「あれ? ちょっと変かも」と感じた時点で、立ち止まって自分を気にかけてあげましょう。
もしかして“がんばりすぎ”が原因かも?

介護の仕事をしている方は、とても真面目で優しい方が多いです。
「利用者さんのために」「チームに迷惑をかけたくない」と、自分のことを後回しにしてしまうこと、ありませんか?
その“やさしさ”が、知らないうちに「がんばりすぎ」になってしまうことがあります。
こんな習慣、思い当たりませんか?
・睡眠が足りていない
・食事を抜いたり、パンやおにぎりだけで済ませたりしてしまう
・休日も仕事のことが頭から離れない
・痛みやだるさを「いつものこと」と我慢している
これらは、介護職員に多い“がんばりすぎサイクル”です。
でも、体も心も元気でなければ、良いケアは続けられません。
「ちょっと疲れたな」と感じたら、一息ついて深呼吸を。
“休むこと”は甘えではなく、立派な仕事の一部なのです。
今日からできる!自分を守るセルフチェック

不調に気づいたら、次は“自分の体を守る時間”を少しでも作りましょう。
毎日数分でも、自分を見つめ直すことで大きな違いが生まれます。
・簡単セルフチェック
次の質問に、いくつ「はい」と答えられますか?
・朝、すっきり起きられている
・食事が美味しく感じられる
・最近、笑うことやリラックスできている
・1週間に1回でも、自分の時間をとれている
「いいえ」が多ければ、体や心が疲れているサインかもしれません。
無理をせず、少しペースをゆるめてみましょう。
今日からできるケアのコツ
・睡眠を大切に:寝る30分前にはスマホを置いて、照明を落としましょう。
・小腹を満たす工夫を:バナナやナッツ、おにぎりなど、
手軽に食べられるものを持ち歩いて。
・ストレッチと深呼吸:訪問の合間や休憩中に、
背伸びをしたり肩を回したりしてリフレッシュ。
・早めの相談を:痛みや違和感を覚えたら、我慢せず医療機関へ。
早めのケアが回復の近道です。
小さなことでも、続けることで体は確実に変わっていきます。
“健康管理”は、毎日の積み重ねが大切です。
あなたの健康が、利用者さんの笑顔につながる

介護職員の健康は、利用者さんの安心にもつながります。
明るい声、やさしい笑顔、落ち着いた対応――
そのすべては、あなた自身の健康があってこそ。
「疲れているな」と感じたら、自分にこう声をかけてください。
「私も大切な存在。だから休もう。」
職場の仲間にも「無理しないでね」「大丈夫?」と声を掛け合うだけで、お互いの支えになります。
そうした小さな気づかいが、職場全体のあたたかさにつながります。
介護の仕事は「人を支える」仕事。
でもその前に、自分自身を大切にすることから始まります。
自分をいたわる時間を“仕事の一部”として、どうか大切にしていきましょう。
まとめ

「なんとなく不調」と感じるとき、それは体からの小さなSOSです。
介護職員の皆さんは、利用者さんを思うあまり、自分の体や心の声を後回しにしてしまうことが少なくありません。
けれど、自分をいたわることは決してわがままではなく、むしろ大切なケアの一部です。
睡眠をしっかりとり、きちんと食べて、休む時間を確保する――。
そんな基本的なことこそ、健康を守るいちばんの近道です。
そして、「少し疲れたな」「最近おかしいな」と感じたら、我慢せずに立ち止まりましょう。
自分の体に耳を傾け、必要であれば周りに相談することも大切です。
自分の健康を守ることは、利用者さんの安心を守ることにつながります。
どうか、自分の体と心を大切にしながら、これからも笑顔で介護の現場に立ち続けてください。
あなたの元気が、今日も誰かの笑顔を支えています。



