
介護の仕事をするうえで、認知症の知識は「特別なスキル」ではなく、いまや“必須の基礎力”です。
そんな中、多くの自治体で導入が進んでいるのが「認知症介護基礎研修」。
新人職員や無資格で働くスタッフを中心に、誰もが安心して認知症ケアに取り組むための研修です。
この記事では、研修が義務化された背景から、内容・受講方法・メリット・注意点までわかりやすく解説します。
認知症介護基礎研修とは?

――なぜ今、義務化が進んでいるの?
厚生労働省は、すべての介護職員が「認知症を正しく理解して関われること」を求めています。
その理由は、日本の高齢者の約4人に1人が認知症、またはその予備群といわれているからです。
認知症ケアは、知識の有無で対応が大きく変わります。
「なぜこの行動が起きるのか?」を理解することで、ケアの質が上がるだけでなく、スタッフ自身の負担も軽くなるのです。
そのため、新人や無資格スタッフを中心に、認知症の基礎・安全な関わり方・心理面の理解などを短時間で学べる研修が整備されました。
誰が受講しなければいけないの?
――対象者と例外をチェック
自治体によって運用は多少異なりますが、全国的には以下のような人が対象です。
◆受講が必要な人
・ 新しく採用された介護職員
・ 無資格で働くスタッフ
・ パート・アルバイトを含む介護職員
・ 通所・訪問・入所などすべてのサービス事業所で勤務する人
特に、未経験・無資格で入職する場合は必須にしている施設が増えています。
◆例外になるケース
・ すでに初任者研修以上の資格を持っている
・ 「認知症介護実践者研修」など上位の研修を修了している
・ 自治体独自の研修を受講済み
地域によって基準が少し違うため、勤務先の自治体で確認しておくのが安心です。
研修の内容は?

――たった数時間で学べる実践的な基礎
研修時間はおおむね3〜6時間程度。
最近はオンライン受講が主流で、スマホやタブレットで手軽に学べる自治体も増えています。
▼主な学習内容
・ 認知症の基礎知識:種類・脳の変化・症状の進行
・ BPSD(行動・心理症状)の理解:怒り・不安・混乱への対応
・ 安全確保と事故予防:転倒・徘徊などのリスクと対策
・ コミュニケーション方法:「否定しない・安心を伝える」関わり方
・ 家族支援の視点:家族の気持ちを理解し、情報を共有するコツ
どの項目も、現場で「すぐに使える」知識ばかりです。
“怖い”から“理解すれば安心できる”へと気持ちが変わる内容になっています。
受講方法と費用
――オンライン中心で、費用も手ごろ
◆受講方法
・ 多くの自治体がeラーニング形式を採用
・ スマホ・タブレット・パソコンで視聴可能
・ 動画を見て簡単な確認テストを受けると修了
◆費用の目安
・ 1,000〜3,000円程度
(自治体によっては無料のところもあり)
◆所要時間
・ 平均3〜6時間程度
・ 分割しての受講もOK
忙しい方でも無理なく受けられる点が好評です。
受講で得られるメリット

――現場での自信&キャリアアップにつながる
認知症介護基礎研修を受けると、日々のケアや職場での安心感が大きく変わります。
・ 利用者の行動の理由がわかる
→ なぜ怒るのか、なぜ繰り返し行動するのかが理解でき、ストレスが減る。
・ 事故やトラブルを防げる
→ 危険なサインに早く気づけるようになる。
・ 「任せても安心」と評価される
→ チームでの信頼が高まり、役割が広がる。
・ キャリアアップの基礎になる
→ 初任者研修などへのステップアップがスムーズに。
受講時の注意点
――申し込み・修了証の扱いに注意
・ 申し込みが早く埋まることが多い
自治体によっては数日で満員になることも。
・ 自治体で手続き・方式が違う
eラーニングがある地域もあれば、会場集合型のみの地域も。
・ 修了証の提出が必要な場合がある
勤務先へ提出忘れが多いので要注意。
・ テスト形式の自治体もある
難しくはないが、油断せずに受講するのが◎。
確認漏れや申込忘れがないよう、事前にスケジュールをチェックしておきましょう。
まとめ

――“はじめの一歩”として最適な研修
「認知症介護基礎研修」は、
認知症ケアを安心して行うための最低限の知識と姿勢を、短時間で身につけられる大切な研修です。
新人や無資格スタッフだけでなく、ブランクがある方や認知症ケアが苦手だと感じる方にもおすすめです。
学ぶことで利用者との関わりが優しくなり、笑顔も増えていきます。
介護を続けるうえでの“最初の一歩”として、ぜひ積極的に受講してみてください。



