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訪問介護で利用者さんが急変!ヘルパーが困らないための緊急時対応術

訪問介護の現場で予期せぬ事故に遭遇したとき、「どう対応すれば良いのか知りたい」「適切な判断や行動ができるか不安だ」と感じる方も多いのではないでしょうか。

訪問介護での緊急時には、利用者さんの安全確保を最優先に、冷静さを保ち、適切な判断と行動で命を守ることが何よりも大切です。

本記事では、訪問介護における緊急時の具体的な対応手順、救急要請の判断基準、そして緊急時に冷静さを保つための心構えについて解説します。緊急時対応への自信をつけ、より質の高いケアを提供したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

訪問介護で緊急時の具体的な対応手順

訪問介護における緊急時の具体的な対応手順は、以下のとおりです。

 

1. 利用者さんの安全確保と状況確認

2. 関係機関への緊急連絡

3. 救急車到着までの応急処置と見守り

4. 救急隊・警察への引き継ぎと情報伝達

5. 緊急時対応後の記録と事業所報告

 

順番に解説します。

利用者さんの安全確保と状況確認

緊急時、まずは利用者さんの安全を確保し、冷静に現在の状況を把握しましょう。初期に正確なアセスメントを行うことで、適切な判断と行動につながり、利用者さんの命を守るための選択ができるからです。

具体的には以下の手順がおすすめです。

1. 周囲の危険物をどかし、利用者さんと自分自身の安全を確保する

2. 「大丈夫ですか?」と声を掛け、反応の有無を観察する

3. 異常がないか、目視と触診で素早く確認する

4. 転倒時などには、出血や骨折といった外傷がないかも確認する

迅速な初期アセスメントが、次の適切な連絡や応急処置へつながります。

関係機関への緊急連絡

利用者さんの状況を確認したら、速やかに適切な関係機関へ緊急連絡を行います。一人で抱え込まず、専門職や家族と連携することで、迅速かつ的確な支援や判断ができるからです。

たとえば、生命の危機がある場合は迷わず救急車を要請し、事業所にも直ちに報告します。事業所の指示に従い、家族や主治医、ケアマネにも状況を伝え連携を取りましょう。

これらの迅速かつ的確な連絡が、利用者さんへの適切な支援と、ヘルパー自身の負担軽減につながります。

救急車到着までの応急処置と見守り

救急車を要請してから到着までの間、利用者さんの状態悪化を防ぐための応急処置と見守りが必要です。

救急隊が到着するまでの数分間は、利用者さんの予後に大きく影響する可能性があります。冷静な応急処置と継続的な観察は、命をつなぐうえで大きな役割を果たします。具体的には、以下のとおりです。

応急処置と見守り 具体的な行動
意識がない場合 呼吸が確保できるよう、顔を横に向けたり、衣類を緩めたりする。無理に体を動かさないよう注意する。
止血 出血がある場合は、清潔な布で直接圧迫し、止血を試みる。
心肺蘇生(CPR) 呼吸・脈拍がない場合は、研修で習った手順に従い心肺蘇生を開始する。
保温・声掛け 体温の低下を防ぎ、意識があれば「救急車がもうすぐ来ますからね」などと声を掛けて安心させる。

救急隊へスムーズに引き継ぐためには、ヘルパーが行える範囲での適切な応急処置と細やかな見守りが欠かせません。

救急隊・警察への引き継ぎと情報伝達

救急隊や警察が到着したら、これまでの状況と利用者さんの情報を正確かつ簡潔に伝えましょう。救急隊は迅速な処置のために、警察は状況把握のために、必要な情報を求めています。

的確な情報伝達は、その後の医療処置や適切な対応に直結します。具体的には、以下の情報を伝えましょう。

必要な情報 内容
到着時の状況 発見時の利用者さんの状態(意識、呼吸、訴えなど)を伝える
これまでの経緯 緊急連絡後の対応(誰に連絡したか、行った応急処置の内容など)を伝える
利用者情報 氏名、生年月日、既往歴、服用薬、アレルギーの有無など、分かる範囲で伝える
警察への引き継ぎ 事件性がある場合や、明確な死因が不明な場合は、警察に状況を説明し、指示に従う

的確な情報伝達は、専門職のスムーズな活動を支援し、利用者さんへの継続的なケアを確保するうえでも欠かせません。

緊急時対応後の記録と事業所報告

緊急時対応が一段落したら、速やかに詳細な記録を作成し、事業所へ報告することが重要です。正確な記録は、利用者さんの状態変化の把握や医療連携、介護保険請求、今後のサービス改善やヘルパー自身の法的保護のために欠かせないからです。

記録では、「いつ(日時)」「どこで(場所)」「何が起こったか(状況)」「どのように対応したか(行動)」を具体的に時系列で記録します。また、事業所での報告では、記録に基づき、サービス提供責任者や管理者へ口頭および文書で速やかに報告します。

最後には対応内容を振り返り、疑問点や今後の改善点を事業所と共有しましょう。記録と報告は、単なる事務作業ではなく、利用者さんの安全確保と介護サービスの質の向上に貢献する大切な業務です。

訪問介護で緊急要請の判断基準

訪問介護中の利用者さんの急変時、救急車(119番)を呼ぶかどうかの判断は、生命を左右する重要な決断です。

迅速な要請は重篤化を防ぎ、不要な要請は医療負担を増やすため、ヘルパーには的確な判断が求められます。救急車を呼ぶ判断は、以下を参考にしてください。

・ 意識異常: 呼びかけに反応しない、意識が朦朧としている

・ 呼吸異常: 呼吸停止、非常に苦しそう、不規則

・ 循環器異常: 激しい胸痛、突然の麻痺、けいれん、顔色不良、冷や汗

・ 外傷・出血: 大量出血、頭部強打、骨折、広範囲のやけど

・ その他: 激しい嘔吐・下痢、急激な高熱、激しい腹痛、自傷行為の可能性

判断のコツは、「いつもと違う」「急激な変化」「生命の危険」を総合的に判断し、迷ったら119番に連絡しましょう。判断基準を理解し、迷った際はためらわず119番へ連絡することが、利用者さんの命と健康を守ることにつながります。

訪問介護で緊急時に冷静さを保つには

緊急時でも介護者自身が冷静でいることが、利用者さんの安全確保と適切な対応に直結します。介護者がパニックを起こすと判断を鈍らせ、命に関わる事態を招く恐れがあるため、冷静さを保つことは大切です。冷静さを保つためには、以下を意識的に行いましょう。

・ 異変察知時、まず大きく深呼吸で落ち着く。

・ 心で「何が起こったか」を言葉にし、客観視する。

・ 事業所のマニュアルやフローチャートを即座に開く。

・ 事業所へ連絡し、サポートが得られる安心感を持つ。

・ 緊急連絡先の携帯、研修復習で自信をつける。

意識と準備があれば、緊急時に冷静さを保ち、利用者さんの命を守れるでしょう。

まとめ

今回は、訪問介護における緊急時の具体的な対応手順について解説しました。いざという時に、冷静かつ的確に行動できるかは、日頃の準備と知識が大きく左右します。

本記事を参考に、緊急時対応への理解を深め、利用者さんの命と安全を守るプロの介護者として、自信を持って現場で活躍しましょう。