
介護は、ある日突然はじまります。
「どうしたらいいの?」「何から始めるの?」
―そんな不安を抱えて調べはじめる人はとても多いです。
でも実は、家族の負担を軽くできる制度や仕組みがたくさんあります。
「知らないまま頑張る介護」から、
「制度を上手に借りて負担を減らす介護」を目指していきましょう。
この記事では、
・ 介護が始まった時に使える制度の種類
・ 費用や生活負担を減らせる支援
・ どこに相談すればいいのか
初めて介護に向き合う家族向けに、制度を分かりやすくまとめています。
制度を適切に活用することで、介護者の負担を軽減し、継続しやすい環境を整えることができます。
まず押さえるべき仕組み

➤ 介護保険制度の基本
介護サービスを利用するには、
市区町村への「要介護認定申請」が必要です。
申請 → 調査 → 判定 → サービス開始
この流れで利用できるようになります。
手続きなどが不安な場合は、地域包括支援センターが無料でサポートしてくれます。
家族が利用できる制度10選

① 介護保険サービス
介護保険を利用すると、自己負担を抑えながらさまざまな介護サービスを受けることができます。
利用できる主なサービスには、次のようなものがあります。
・訪問介護(ホームヘルパーがご自宅を訪問し、掃除・食事・入浴などをサポート)
・デイサービス(日帰りで食事や入浴、機能訓練、レクリエーションなどを提供)
・通所リハビリ(専門スタッフによるリハビリを通所施設で実施)
・ショートステイ(短期間、介護施設に宿泊して介護を受けるサービス)
・訪問入浴(専用の浴槽を持ち込んで、自宅での入浴を支援)
・福祉用具レンタル(車いすや介護ベッドなどのレンタルが可能)
これらのサービスの利用料金は、原則として1〜3割が自己負担となります。
介護保険をスムーズに利用するためには、早めの申請手続きが大切です。
② 介護休業制度(最大93日)
仕事をしながら家族の介護をする人を支えるのが、介護休業制度です。
勤務先で一定の条件を満たせば、介護休業中も給与の約67%が支給されます。
長期的に介護に専念したい場合に利用できる、頼もしい制度です。
③ 介護休暇(短期の休み)
「数時間だけ」「1日だけ」など、短い時間でも利用できるのが介護休暇です。
病院への付き添いや役所での手続きなど、ちょっとした介護関連の用事に活用できます。
働きながら介護をしている人にとって、非常に使いやすい制度です。
④ 高額介護サービス費
介護サービス利用の自己負担額が一定上限を超えた場合、超過分が払い戻されます。
知らないと損することが多い制度の一つで、継続的に介護サービスを利用する方には特に重要です。
⑤ 高額医療・高額介護合算制度
医療費と介護費を合わせて計算し、一定額を超えた分が返還される制度です。
入院や通院が多い方や、医療と介護の両方に支出がある家庭に役立ちます。
⑥ 障害福祉サービス(介護保険と併用できる場合あり)
対象となる例として、若年性認知症、難病、脳梗塞後遺症、精神疾患などがあります。
介護保険だけではカバーしきれない場合に、障害福祉サービスを併用して支援を受けられることがあります。
⑦ 福祉輸送サービス(介護タクシーなど)
通院や買い物など、日常の移動が負担になるときに利用できる便利なサービスです。
条件を満たせば費用の一部が助成される場合もあり、外出の負担を軽くできます。
⑧ 住宅改修制度(最大20万円補助)
自宅で安全に過ごすための住宅改修費用を補助する制度です。
対象となる工事には、手すりの取り付け、段差の解消、浴室の改修、引き戸への変更などがあります。
転倒や事故の予防につながるため、早めの相談・申請がおすすめです。
※工事前に事前相談を行うことが必須です。
⑨ 福祉用具レンタル・購入補助
必要な介護用品を月額制でレンタルできる制度です。
車いす、介護ベッド、歩行器、手すりなど、利用者の状態に合わせて柔軟に選べます。
体調や介護度の変化に対応しやすく、初期費用の負担も抑えられるのが特徴です。
⑩ 地域包括支援センター(無料相談窓口)
介護で困ったときは、まず地域包括支援センターに相談しましょう。
制度の案内、申請のサポート、介護相談、ケアマネジャーの紹介などをワンストップで受けられます。
介護を始めたばかりの方にも安心の無料相談窓口です。
制度を使うときのポイント
・ 独断で手続きを進めず「相談してから」動く
・ 使える制度は遠慮せず活用する
・ 困ったら地域包括支援センターへ
介護は、家族だけで抱える必要はありません。
まとめ

介護制度を理解し上手に活用することは、家族介護を続けていくうえで大きな支えになります。
介護は短期間で終わるものではなく、長期にわたることが多いため、制度を適切に利用するかどうかで、心身の負担や生活の質は大きく変わります。
自分ひとりで抱え込むのではなく、利用できるサービスや支援を知り、必要に応じて取り入れていくことが重要です。
今日知った制度が、介護者と家族双方にとって安心できる選択肢となり、介護を無理なく続けられる環境づくりにつながることを願っています。



