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かしこく介護を行うために|ヘルパーさんに頼めることと断られることを解説!

「ヘルパーさんが来てくれるから、これで家のことも安心!」 そう思って期待していたのに、いざお願いしてみたら「それはできません」と断られという経験がある人もいるでしょう。

 

利用者や家族からすれば、ほんの数分の作業に見えるかもしれません。しかし、ヘルパーには、介護保険制度という「国が決めた厳しいルール」があるため、できないことも存在します。

 

今回は、介護現場のプロの視点から、訪問介護で「頼めること」と「断られること」の境界線を解説します。

 

「訪問介護」は家事代行サービスではない

訪問介護と家事代行サービスは、似ているようで全く別物です。

 

訪問介護は、私たちが納めている税金と介護保険料によって運営されている公的なサービスです。

訪問介護は、要介護者の自立支援が目的で介護保険制度に基づき、本人に必要な最小限の身体介護・生活援助に限定されます。

 

トラブルが起きやすいのは、生活援助です。具体的に何がOKで何がNGなのかを見ていきましょう。

 

訪問介護でできること

訪問介護では、食事や入浴、排泄などの身体介護以外にも生活援助が受けられます。

 

生活援助では、利用者の日常生活に必要であれば、幅広く対応可能です。

 

たとえば、食事作りでは、栄養バランスの調整以外にも、噛む力が弱い人への刻み食やとろみ付けなどの専門的な対応も可能です。

また、利用者の日常生活に必要な食料品や日用品の買い出しや、薬の受け取りもできます。

訪問介護で頼めないこと

訪問介護では、利用者以外のためのことは頼めません。

 

たとえば、同居している息子の分の夕飯も作ったり孫が遊びに来るのにそなえて客間の掃除をしてもらったりといった依頼は、すべてNGです。 

 

介護保険はあくまで利用者本人を支えるためのものです。家族の家事の代行はできません。

また「お正月だからおせち料理を作って」「庭の草むしりや花の水やりをして」といった依頼も、断らなければなりません。大掃除や趣味、行事の範囲とみなされます。

 

「ペットの散歩に行ってほしい」「お酒やタバコを買ってきてほしい」「銀行でお金をおろしてきてほしい」などの依頼もNGです。ペットは本人の体の一部ではなく、嗜好品の購入や金銭の管理は、生活維持に不可欠な最低限のサポートとはみなされません。

「制度外」で困ったときの解決策

介護保険でできることは限られています。

とはいえ、実際に「窓は汚れるし、草も生える。家族も遠方で頼れない」という切実な問題もあるでしょう。そんな時は、介護保険以外の「社会資源」をかしこく組み合わせましょう。

 

全額自己負担サービスでさ多くの訪問介護事業所では、保険外の「自費サービス」を用意しています。介護保険サービスなら、家族の食事作りや大掃除、話し相手なども依頼可能です。

ただし、介護保険外サービスとは、介護保険ではカバーできない、より自由度の高いサービスであるため、自費で受けるものとなります。

なお、介護保険外サービスにも、以下のサービスが使えます。

 ・ シルバー人材センター:庭木の剪定や草むしり、簡単な修繕などは、シルバー人材センターが非常にリーズナブル

 ・ 地域のボランティアや家事代行サービス: 自治体独自のサポートや民間の家事代行を併用することで、保険の枠に縛られない自由なケアが可能

まとめ

訪問介護のルールを知ることは「最強の味方」にするための第一歩です。

 

もし「これは頼めるのかな?」と迷ったら、現場のヘルパーに直接交渉するのではなく、まずはケアマネジャーに相談してみましょう。

ケアマネジャーは、保険内でできることと、保険外で補うことを組み合わせ、あなたのご家庭に最適な「ケアプラン」を作ってくれるプロです。

「できない」という境界線を正しく理解できれば、お互いのストレスが減り、感謝の言葉が飛び交う良い関係が築けます。

 

介護は一人で抱え込むものではありません。制度を正しく理解し、プロを上手に使いましょう。その先に、利用者も家族も笑顔になれる生活が待っています。