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【冬場の介護事故を防ぐ】転倒・誤嚥・入浴時のリスクと観察ポイント

冬の時期になると、転倒や誤嚥、ヒートショックのリスクが高まり、

「利用者さんの安全をどう守ろう」

「この季節をどう乗り切ればよいのだろう」と不安を感じていませんか。

介護現場では、日ごろから注意を払っていても、寒さや乾燥といった冬特有の環境変化が、リスク回避の難しさにつながります。

本記事では、冬場に起こりやすいリスクを整理し、現場で実践しやすい観察ポイントや予防策をわかりやすくお伝えします。 

冬に介護事故が増える背景

 

高齢者は、筋力やバランス能力が低下しやすく、寒さが加わると血圧が変動し、ふらつきや立ちくらみが生じやすい状態です。

さらに、空気の乾燥によるのどの粘膜の機能低下は、誤嚥性肺炎のリスクを高めます。

また、寒さは身体だけでなく、住環境にも大きな影響を及ぼします。

暖房で居室を暖めても、廊下やトイレ、浴室との温度差が大きいと、ヒートショックの危険性が高まります。

 

転倒を防ぐための観察ポイント

冬場の転倒予防には、歩き方だけでなく予兆と環境にも目を向けるのが重要です。転びそうな瞬間だけを見ていても、根本的な予防にはつながりません。

冬には、厚着や靴下の重ねばきで足先の感覚が鈍り、靴やスリッパの脱ぎかけに気づくのが遅れます。ヒーターのコードやこたつ布団の端も、つまずきの典型的な要因といえるでしょう。

 

床も危険箇所のひとつです。加湿器の水や外から持ち込まれた雪や雨で、わずかに濡れただけでも、すべりのきっかけになります。

また、寒さからトイレをがまんして、限界になってから急いで立つ場合もあります。冬場の転倒パターンとして多いのは、立ち上がり直後やトイレに向かう途中です。

立つ前には、一度深呼吸をしてもらい、ひと声かけるとゆっくり立ち上がれます。

 

歩行時には、

 ・ 視線が床ではなく前方に向いているか

 ・ 足がすり足になっていないか

の視点で見守りが大切です。

 

環境整備では、まず「床・靴・暖房機器」の三つを見直しましょう。

床の上:濡れやすい場所を把握し、こまめに拭く担当を決めておく

靴やスリッパ:かかとをきちんと支えられるものを選び、すり減ったら早めに交換する

暖房機器:コードやホースを通路に置かないようレイアウトを見直す

 

声がけだけではなく、利用者さんの動作(歩行や立ち上がり)、環境(床や履物の状態)をセットで見直すと、スタッフ全員が同じ視点で転倒予防に取り組めます。

 

誤嚥リスク管理と食事・水分補給の注意点

冬場の誤嚥予防には、「乾燥」「姿勢」「飲み込む力」の三点を意識して、食事と水分補給を整えるのが大切です。

 

乾燥した空気によるのどの粘膜の渇きは、食べ物がスムーズに通りにくくなり、少量でもむせやすい状態を引き起こします。

また、寒さで体がちぢこまり丸くなる姿勢は、気道と食道を狭くし、食べ物や飲み物が気道側に入りやすいです。

さらに高齢者は、舌の動きやのどの筋力が弱まり、嚥下機能が低下しています。

 

食事中に注目するサインは以下のとおりです。

 ・ むせ

 ・ 咳

 ・ 飲み込みの遅れ

 

たとえば、一口食べて、しばらくの間もぐもぐしているようなら、飲み込む力が弱っている兆候かもしれません。水やお茶を飲んだときに、毎回のように軽く咳き込む方も要注意です。

こうした場合は、一口量を減らし、とろみを使う、姿勢を少し前かがみにするなど、小さな調整でリスクを下げられます。

ヒートショックを防ぐ温度管理と入浴前の確認

寒い場所から急に暖かい場所へ移動すると、血管が急に広がったり縮んだりして血圧が変動します。

症状としてめまいや失神、さらには、心筋梗塞や脳卒中につながる状態がヒートショックです。

 

入浴時のヒートショックを防ぐには、「温度差を小さくする工夫」と「入浴前の体調チェック」を徹底させましょう。

入浴前に脱衣所や浴室を暖房器具で保温したり、高い位置からシャワーで浴室全体を温めたりするのも効果的です。

 

また、体調が万全でないときは、短時間の入浴でも身体への負担が大きくなります。

いつもより顔色が悪い、返事が遅い、ふらつくなどのサインがあれば、無理に入浴せず、足湯や清拭に切り替える選択も必要です。

医師や看護師と相談し、入浴を見合わせる目安を共有すれば、判断がぶれにくくなります。

 

観察力を高めるチーム連携と情報共有

冬場の事故を減らすには、一人ひとりの注意力だけに頼らず、ヒヤリハットを共有し合うことが欠かせません。

観察力は個人のセンスではなく、共有された視点で育ちやすくなります。

 

現場では、「転びそうになった」「少しむせた」など、小さなヒヤリハットが日々起きています。これを、たまたまで終わらせると同じ場面が何度も繰り返されます。

一方で、「なぜ起きたのか」「環境や手順にどんな要因があったのか」と振り返ると、次の予防策につながります。

新人や経験の浅いスタッフは、どこに注目して報告すればよいか分からないかもしれません。観察のポイントや、記録の書き方を具体的に示し、チーム全体の目をそろえていきましょう。

 

ヒヤリハットの共有は、「いつ」「どこで」「どのように」だけでなく、「そのときの環境」と「本人の様子」をセットで振り返ると効果的です。

たとえば、「夕食前、トイレに急いで立ち上がったとき、足元のコードにひっかかりかけた」といった報告があれば、コードの位置や、声かけのタイミングも見直しの対象になります。

定期的に振り返る時間を持つことで、チーム全体の観察力は少しずつ磨かれます。

冬場の事故防止チェックリスト

冬の事故を防ぐための予兆を確認できるチェックリストは、次のとおりです。

小さなチェックの積み重ねは、大きな事故を未然に防ぐことにつながります。

 

まとめ:小さな予兆を見逃さず冬場の介護事故を予防しよう

冬は、小さな変化が大きな事故につながりやすい季節です。

転倒・誤嚥・ヒートショックという三つのリスクを意識し、日々の観察と環境の見直しが、利用者の安全を守ることにつながります。

気づきを共有しながら、冬場のケアをより安心できるものへ整えていきましょう。