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ケアプランの有料化が議論されている背景とは?現在の状況や負担額の目安も解説!

「ケアプランの有料化が議論されている背景を知りたい」「自分の負担が具体的にどう変わるのか知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

現在議論されているケアプランの有料化は、膨らみ続ける介護給付費を抑え、制度を次世代へつなぐための改革です。また、利用者が質の高いケアを自ら選択できる仕組みへと進化し、介護サービスの透明性を高めるきっかけにもなります。

本記事では、ケアプランが有料化される背景や現在の議論状況、そして実際に発生する自己負担額の目安や現場の変化について解説します。議論されている制度改正の動きをいち早く把握し、将来への備えを万全にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

ケアプランの有料化が議論されている背景

ケアプランの有料化が議論されている背景には、介護保険制度の持続可能性の確保と、利用者負担の公平化が挙げられます。高齢化に伴い介護給付費が急増する中、制度を維持するための財源確保が急務となっています。

また、他の介護サービスは自己負担があるのに対し、ケアプラン作成だけが自己負担なしとなっている現状は、受益者負担の原則に照らして不公平だと指摘されているからです。他の背景としては、以下の3つが挙げられます。

ケアプラン有料化が議論されている背景 内容
財政抑制 ケアプラン作成には年間約4,500億円の費用がかかっており、有料化による公費の削減が期待されている
質の向上 利用者が対価を払うことで、「質の高いケアマネジメント」を求める意識や、過剰なサービス利用を抑制しようとする意識が高まると考えられている
格差是正 施設入所者との負担バランスを整えるため、まずは2025年12月に「住宅型有料老人ホーム入居者」などへの先行導入案が検討されている

有料化の議論は単なる負担増ではなく、膨らみ続ける介護予算を抑えつつ、制度を将来にわたって存続させるための構造改革といえるでしょう。

 

ケアプランの有料化に向けた議論状況

ケアプランの有料化に向けて、現在は2027年度の制度改正での本格導入を見据え、特定の条件や施設に限定して段階的に導入する案が出ている段階です。

一律の有料化には、利用控えを懸念する慎重論が根強いため、まずは影響が予測しやすく、給付の適正化が必要とされる領域から着手する方向で調整が進められています。具体的な議論状況は、以下のとおりです。

・ 先行導入案: 2025年12月の社会保障審議会にて、ケアマネジメントの質が不透明になりやすい「住宅型有料老人ホーム」などの入居者を対象に、原則1割負担とする新たな類型の創設が提案されている。

・ 所得制限の検討: 全員一律ではなく、一定以上の所得がある利用者から順次導入していく案も継続して議論されている。

・ 処遇改善との連動: 有料化の議論と並行して、ケアマネジャーの賃上げが進められており、対価に見合う専門性の発揮がより厳しく求められる状況になっている。

全面的な有料化は確定していないものの、一部のサービス形態から先行して有料化が始まる可能性は高く、2026年中の最終決定に向けて議論されています。

 

有料化による具体的な自己負担額の目安

有料化が導入された場合には、利用者の自己負担額は月額1,000円〜1,500円程度(1割負担の場合)になると想定されます。現在、国がケアマネジメント事業所に支払っている居宅介護支援費は、要介護度に応じて月額約1万〜1万5千円程度です。

他の介護サービスと同様に原則1割負担が適用されれば、その10%が利用者の支払い分となります。要介護度別の1ヶ月あたりの負担イメージは以下のとおりです。

・ 要介護1・2: 約1,050円

・ 要介護3・4・5: 約1,350円

毎月1,000円台の新たな支出が発生することになるため、金額に見合う質の高いサポートを受けられているかを改めて確認しましょう。

 

ケアプランの有料化で変わること

ケアプランの有料化で変わることは、主に次の2つが挙げられます。

・ 利用者の金銭負担が発生して選別意識が高まる

・ ケアマネジャーに集金業務などの事務負担が増える

それぞれ解説します。

 

利用者の金銭負担が発生して選別意識が高まる

ケアプランの有料化によって、利用者がケアマネジャーをサービスの品質で厳しく選別する時代へと変わります。従来無料だったものに直接対価を支払うようになると、利用者側の権利意識が強まるためです。

実際に有料化が始まれば、どのケアマネジャーでも同じだと考えるのではなく、提案力の違いや専門知識の豊富さを比較して選ぶことが当たり前になるでしょう。以前は遠慮して言い出せなかったことも、有料サービスとしての納得感を優先して伝えやすくなるでしょう。

単なる事務手続きだけでなく、家族の悩みに寄り添うといった付加価値があるかどうかが、選ばれるための重要な基準となります。

 

ケアマネジャーに集金業務などの事務負担が増える

ケアプランの有料化により、ケアマネジャーの業務に利用料の徴収管理という新たな事務負担が加わります。今までは国から全額が支払われていたため、利用者との金銭授受は不要でした。

しかし、有料化後は各利用者から自己負担分を確実に回収する仕組みが欠かせなくなります。具体的には、毎月の請求書発行や入金確認のほか、支払いが滞った際の督促業務が発生します。

事務作業に時間を取られることで、本来の専門業務であるケアプラン作成や相談援助に割く時間が削られる懸念があります。有料化はケアマネジャーにとって事務作業を大幅に増加させ、日々の業務効率を左右する大きな変化となります。

 

まとめ

今回は、ケアプラン有料化が議論されている背景や、議論の状況、そして私たちの生活への影響について解説しました。ケアプランの有料化は、制度を未来へつなぐための避けられない改革であり、同時に「質の高いケア」がより厳しく選ばれる時代の始まりでもあります。

負担が増える分、利用者とケアマネジャーの双方が、サービスの価値を改めて見つめ直す大切な機会となるでしょう。